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IBM ThinkPad 220

Date.
2020-11-15
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ワールドワイドでは初のThinkPadブランドであったThinkPad 700シリーズがPS/55 Noteブランドで売られたために、日本では初のThinkPadブランドでのリリースとなった記念碑的モデル、ThinkPad 220を27年の歳月を経て再び入手しました。5550台限定で販売されたモデルのうちの1台です。この〝555〟という数字には、ThinkPad 555BJでのCanonとの業務提携記念という意味合いも込められています(このころのThinkPadは、販売総代理店がキヤノン販売でした)。大和事業所で開発され、藤沢事業所で生産されました。

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外装のピーチスキン塗装はそれなりに劣化してしまっていますが、本体のコンディションは非常に良く、HDDにも不良がなかったです(後日、CF-PIDE変換に換装予定ですが)。前オーナーのもとで、非常に 大切に保存されていたようです。

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モノクロ16階調の液晶のため、IBMロゴはビッグブルーカラーです。カラー液晶の端末がトリコロールカラーでした。

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本機はポインティングデバイスにTrackBallを採用しており、グリップスタイルでの運用を考えられた設計になっています。非TrackPointでトラックボールを採用したThinkPadは本機だけです。キーボードもIBMお得意の7列フルキーボードをコンパクトに採用しており、日本でのミニノートPC(※当時はサブノートと呼ばれていました)市場の始祖となったモデルでもあります。

Intel i386SLC 16MHzに2MBのRAM、80MBのHDDを採用しており、IBM PC DOS J5.02/Vのフロッピーディスクとユーティリティディスク(NMENUというグラフィカルシェルなど小物ツールが収録されています)が付属していました。FDDも付いています。冊子類も揃っていて、外箱とVHSテープ(本機の活用方法を紹介するもの)が付属していないだけという感じですね。なお、VHSテープが付属している理由としては、本機の試作機(モノリスというコードネームでした)がVHSテープサイズだったということに由来しています。

このスペックは当時としても非力ではありましたが、増設メモリの存在によってWindows 95を動かすこともできました(筆者はWindows 3.1で使っていましたが)。A5ファイルサイズの本体に1kgという重量は当時非常にエポックメイキングなもので、評価ははっきり二分されていたと記憶しています。このころ筆者が使っていたのは東芝 DynaBook V486だったので、スペックは劣るもののそれ以上に持ち運びのしやすさ(重量は1/3ほどです)があり、以降5年にわたってメインマシンであり続けました。筆者は当時からこれよりスペックの低いHP 200LXを使っていたので、低スペックさにはおそらく抵抗がなかったのだと思います(今では可能な限りのハイスペックを求めるようになりましたが)。あと、単3型乾電池6本で動作するのも大きな魅力でしたね。

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BIOSがまだ自社開発であることが一般的だった時代で、本機もその御多分に洩れず独自のグラフィカルなBIOSが採用されています(BIOSに入るには Suspend/Resume ボタンを押しながら電源ON)。マウス操作に対応しており、トラックボールを動かした際のマウスポインタがUFOで茶目っ気があります。なお、FDDのためのインタフェースポート以外に、PCMCIAスロット、パラレルポート、シリアルポート(RS-232C)、VGAポート、PS/2ポートが装備されており、これらの省電力設定を切り替えることもできます。ちなみにPCMCIAカードは表裏を逆に挿す仕様でした。

CMOSバックアップ電池が切れていて起動時に161/163エラーが出ます。これはCR2477というバッテリーを使っているので、Amazonなどで買って半田付けして換装すればよさそうです。

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CF-IDE変換アダプタは、このような感じです。玄人志向などが出しています。今のところ相性っぽい現象があってうまくブートに至っていません。

これでThinkPad 220/230Cs/530Csと、現代のThinkPad Xシリーズに通ずるサブノート始祖3兄弟が揃ったので、ストレージをきちんと換装して環境をひととおり整えてあげて、大切に温存していこうと思います。

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