Samsung Galaxy S21 Ultra 5G 16GB/512GB - SM-G9980
Galaxy S21シリーズは発表時点から欲しくて、ただ大きな携帯電話はあまり好きではないので買うならS21無印かなあと思っていたのですが、つい買ってしまいましたS21 Ultra。シリーズ最大の大きさと機能を誇り、文句なしのSamsung 2021年上半期フラッグシップです。
特徴的なデザインのカメラ部分は5ホール構成で、非常にアイコニックな仕上がりです。光学10~30倍の沈胴式ズーム、そして100倍のハイブリッドズームが可能となっています。もはやハイエンドではお決まりの超広角と3倍の標準ズームも兼ね備え、全域に渡ってToFとIRによる高速なAF測距を特徴としています。
延長されたフレームからさらに伸びるカメラレンズガード部は分厚く、本体の厚みに収まり切らなくなったカメラユニットという現実を実感させる重厚感があります。
Phantom Silverという明るい色調のものを選びましたが、背面ガラスは梨地の擦りガラスになっていて、指紋がつきづらい仕上がりです。フレームは光沢感のある磨かれたシルバー。傷が入りやすそうなので、カバーは必須と思います。背面のカラーは光の加減によって微細な淡い変化をするので、角度によってブルーにもピンクにも見えます。
なお、Samsungは発表時のキーノートで、Phantom Blackの黒へのこだわりを5分間にも渡る長編ムービーで見せており、S21 UltraのコンセプトカラーはBlackのほうなんだと思います。
フロント側はGalaxy S7 Edgeから続いた従来の曲面OLEDではなくなり、表示部はフラットなOLEDでなだらかに角を落とされた曲線に繋がります。数字が表すとおり、Galaxy S20を改良したモデルに当たるはずですがデザインの共通性は驚くほど少なく、新たなデザイン要素を多数入れてきています。
iPhone 12 miniと比べると倍くらいの大きさがあります。
OneUI 3.1, Android 11となり、Galaxyらしいホーム画面ながらもインタフェースはさらに洗練されました。それを(このSoCは香港など一部地域向けではありますが)最新の Snapdragon 888が支えます。Snapdragon 888の発表キーノートのスタートアップ一覧にSamsungの名がなく、GalaxyはExynosオンリーになるのではないかと言われていましたが、実際には名の挙がっていた他の大多数のベンダーより早く市場に投入されました。
デュアルSIMのSKUであり、5Gと4Gの同時待受が可能です。ただし、外部ストレージとしてmicroSDのサポートが落とされており、ストレージを拡張することはできません。その代わり、と言ってはなんですが、16GBのRAMと512GBのストレージがあります。正直なところ普段使いのPCよりも多く、広大な空間を持て余すという感覚があります。
iPhone 12 Pro Maxなどもそうですが、最近のハイエンド端末はスペックそのものやゲーミフィケーションなどの高負荷環境への対応というよりは、4Kや8Kの動画撮影といったプロ向け機材としての立ち位置を明確化させてきており、このために広大なメモリやストレージを使います。Galaxy S21 Ultraももちろん、8Kでの撮影に対応しています。
Galaxy Tab S7とはソフトウェア環境がほぼ同一なので、同じSamsungアカウントでログインしていればGalaxy Budsシリーズを共用することや、自動テザリングなどが使えます。このあたりの感覚はiOSと近いですね。ですので、Tab側はWi-Fi版でもあまり問題がありません。
ところで、SamsungにはSシリーズ以外にNoteシリーズという別ラインのフラッグシップが存在します。現行のNote20シリーズも2020年後半にはアップデートされるものと思われますが、今回のS21ではNoteシリーズの特徴でもあった、Sペンでの入力に対応しています。
画面サイズもS21 UltraとNote20 Ultraはほぼ同じなので、Note20 Ultra用のフィルムを若干切って使っています。Noteシリーズの信者なのでほぼ毎回買っているのですが、S21 Ultraはほぼ同じ使い勝手を提供してくれていて、ではNote21が出たら買うのかと言われると非常に悩ましいです。
こうなってくるとラインアップ間での棲み分けが微妙になってくるのですが、今の感じだとSシリーズをカメラメインとして、Noteシリーズをデジタル手帳として訴求していくのかなという感じですね。ちょうどHuaweiのPシリーズとMateシリーズのような関係にあります。
S21 UltraにはSペン自体は付属しておらず、Sペンを収納できるケースが2種類リリースされていて、そちらにSペンが付属しています。ペン自体はWacom Feelテクノロジーなので、サードパーティのペンも使えますし、Galaxy Tabシリーズのものでもいいです。
付属品といえば、箱が小さくなってACアダプタとイヤホンが同梱されなくなりました。入っているのはUSBケーブルと冊子類のみです。iPhoneと同じ、環境へ配慮したというパッケージングですね。ふつうのUSB-PD 45Wで超急速充電となり、30分で50%充電というカタログスペックが実現されます。充電は5000mAhもの容量と考えるとかなり高速です。
旧来のモデルから落とされた機能として、もうひとつ(日本では関係ありませんが) Samsung Pay (MST決済)が使えなくなりました。これからはNFC A/B決済(Paywaveなど)を使えということのようです。米国やアジア圏ではそこそこ普及していただけに、そのあたりを商圏にしている人はちょっと困るかも。
カメラ作例
カメラ端末ということで、カメラの実写作例を挙げていきましょう。
標準の1X広角レンズ(24mm)で東京都庁を撮影しました。
沈胴式ではないほうの望遠、3X標準望遠レンズ(72mm)です。
沈胴式のワイド端、10X望遠レンズ(240mm)です。テレ端が30X (720mm)となりますが撮り忘れました。
ハイブリッドズームの100X超望遠(2400mm)です。
最後に、0.6Xの超広角レンズ(16mm)です。
全域で色味が大きく変わるということもなく、さすがにハイブリッドズームでは画質が荒れるものの、10Xあたりまでは手ぶれ感もなくくっきりと写っており、実用域にあると思います。
また、ズーム率が上がると画面の左上に1Xでのガイドプレビューが表示され、高倍率での被写体の狙いづらさを解消してくれています。なお、1Xレンズは1億800万画素ですのでクロップしても解像感はそこそこ残ります。
純正ケースを買う
Samsung純正のケースを2種類買いました。片方は『Protective Standing Phone Cover』、もう片方は『Leather Phone Cover』です。どちらも5000円以上と結構なお値段です。
『Protective Standing Phone Cover』は重厚なケースで、乱暴な例えだとZero Halliburtonのアタッシュケースのような見た目をしています。ブラックを選んでいますが、他にシルバーがあります。
レンズホールは3レンズぶち抜きで本体がシルバーだと違和感があります。なので、Spigenのレンズガードガラスフィルムを買って、黒く見えるようにしました。
『Leather Phone Cover』は分かりやすく本革製のケースです。こちらにはレンズガード部分に強調感のある装飾があります。カラーはブラウンとブラックがあります。レンズガードがかなり目立ち、ラグジュアリーな感じがします。
置いたときに底面がフラットになるのはProtective Standing Phone Coverのほうだけ。なので、結果的にはこちらばかり使っています。ストラップホールがないので、下部中央に自力で開けました。ネックストラップで吊ることが多いので、ストラップホールはあったほうがよい。