税込980円のEssential Phone PH-1を保護したのでいろいろやっていく
SIMトレイがなくて980円にされていたEssential Phone社のスマートフォン『PH-1』を見つけ、産み捨てられた仔猫のごとく即保護しました。SIMトレイは AliExpress などで300円くらいで買えます。
Snapdragon 835/6GB/128GBくらいの、当時はハイエンド、今はミドルレンジクラスの携帯電話です。今や誰の携帯電話の画面にも存在する、ノッチの始祖でもあります。Essential Phone社はこの1台をリリースした限りで2020年に倒産してしまいました。
360度カメラなど後付けオプションが結構あって面白い機種だったのですが、時代が追いつかなかったんですかね。
なお、ふだんは一眼のモニタ代わりにして遊んでいます。
Android 11にしたい
Android 10が最終版のアップデートなので、カスタムROMを使ってAndroid 11にします。今現在でいちばん活発に開発が行われていると思われる『StatiXOS』を使ってみましょう。以下からダウンロードすることができます。
この記事を書いている段階では statix_mata-20210310-1917-11-v4.2-OFFICIAL.zip が最新でした。なお、カスタムROMを書き込むのでブートローダのアンロックが必要です。以下に手順を記します。
なお、アップデートを最後(ビルド QQ1A.200105.032)まで上げているとTWRPを書き込むことができないので、ダウングレードしてビルド QQ1A.200105.007 などに戻す必要があります。PH1-Images-QQ1A.200105.007.zip などで検索して中身の flashall.bat を実行するなどでダウングレードしてください。
bootloaderのアンロック
PH-1のブートローダ アンロックはちょっとめんどくさいです。2回にわけて作業しないとちゃんとアンロックできません。
まず、Androidの初期設定を済ませて開発者向けオプションを有効にした状態で、開発者向けオプションからOEMロック解除のフラグを有効にします。また、USBデバッグの設定もONにして、以下のコマンドでブートローダに入ります。
$ adb reboot bootloader
次に、ブートローダ アンロックの準備を行います。
$ fastboot flashing unlock_critical
再度Androidの初期設定を済ませ、USBデバッグを有効にする一連の流れをやって、ブートローダから以下のコマンドを入力します。
$ fastboot flashing unlock
これでようやくブートローダのロックが外れるので、次はカスタムリカバリの書き込みです。
ちなみに起動時に警告が表示されるようになるのですが、これは数秒放っておけば通常ブートしてくるので気にしなくていいです。
TWRPの書き込み
TWRPを書き込む前に、またAndroidの初期設定からUSBデバッグを有効にする流れをやって、以下のコマンドを入力します。
$ adb shell getprop ro.boot.slot_suffix
これで a または b という結果が得られると思うのですが、これはPH-1がA/Bパーティション方式というモードでブートしているので、このコマンドでその現在の状況を取得しています。
で、結果が a だったら次のコマンドを b に、結果が b だったら a に、それぞれ読み替えてください(a のときは set-active=b とする)。
$ fastboot --set-active=a
同じように、次の boot_* も boot_a または boot_b に読み替えて実行してください。
$ fastboot flash:raw boot_a twrp.img
これでTWRPが書き込まれたはずなので、VolUp/VolDownキーでメニューを切り替えて、Recovery Modeに入ってください(決定はPowerキー)。
TWRPでのsideload
ちょっと戸惑ったのですが、このTWRP オフィシャルなのですがタッチが効きません。故にすべてコマンドで解決する必要があります。
ROMの書き込みにはサイドロードというモードを使います。以下のコマンドでサイドロードを有効にします。
$ adb shell twrp sideload
そして、お目当てのROM (今回は先述のStatiXOS)を書き込みます。
$ adb sideload Downloads/statix_mata-20210310-1917-11-v4.2-OFFICIAL.zip
表示上の問題なのですが、ROMに関係なくサイドロードが47%で書き込み終了してしまうようです。単純な計算ミスだと思われ、ブートには支障ないので気にしないようにしましょう。
次にブートイメージを書き込みます。StatiXの場合は、ROMのダウンロードページの bootimages フォルダに入っています。
$ adb reboot bootloader
$ fastboot flash:raw boot_a Downloads/boot-mata-20210310-OFFICIAL.img
後始末です。すでにAndroid 11にしている状態でROMを更新した際には fastboot -w しなくていいので(※やると全データが消えます)この手順を飛ばしてください。
$ fastboot -w
これが終わったら、再起動します。
$ fastboot reboot
これで環境が初期化され、Android 11 (または書き込んだROM)の状態で起動してくると思います。初期設定を何回やるんだって話ですが、我慢しかない。
全天球カメラ(360°カメラ)を使う
全天球カメラを使うには公式ファームじゃないとだめなので、上記のAndroid 11への更新を行わなかった場合に使うことができます。
マグネット接点に取り付けてカメラアプリを起動するだけで、手軽に全天球写真が撮影できます。三脚などに固定して撮るなどのときに便利な、タイマー撮影にも対応しています。