Dell Inspiron mini 1010へLinux Mintを入れるあれこれ
デザインが好きだった、太古の昔のInsporon miniをジャンクで見つけました。Atom Z520な化石マシンです。画面サイズも1024x576と、ネットブック全盛期を彷彿させるそれです。
WindowsはAtom Zファミリのサポートをやめてしまっているので、32bit版 Linuxでこの手のハードウェアに強いLinux Mintを入れました。
Linux Mintの素晴らしいところは、Debian/Ubuntuベースに軽量化と化石マシンへの対応を行っているところで、このディストリビューションはAtom ZでもそのままでX11のGUIを起動することができます(他はたいていパッチがあたっていないので、チップセットであるUS15Wのバグに嵌ってまともに起動できない)。
インストールは非常に簡単で、USBメディアへISOファイルを書き込んでから、そのメディアで起動してインストールを行うだけです。
Wi-Fiに繋げる
本体ストレージへのインストール直後はBroadcomのドライバが入っていないのでインターネットへ接続することができませんが、インストール用USBメディアの /pool/main/b/bcmwl/bcmwl-kernel-source_*_i386.deb をダブルクリックして導入すると、とりあえずWi-Fiへ繋がるようになります。
そこから、ターミナル (端末)を開いて以下のようにして、システムのアップデートを行います。
$ sudo su
# apt-get update
# apt-get upgrade
2~30分待っているとひととおりのアップデートが終わると思うので、再起動してください。
Chromiumのインストール
Firefoxの時代は太古の昔に終わったのですが、残念ながらChromeは32bit版をもはやリリースしていないので、Chromiumをインストールします。
$ sudo apt-get install chromium-browser chromium-browser-l10n
Chromiumを標準のWebブラウザとして使う場合は、Mintメニューから設定の『お気に入りのアプリを設定する』を開いて、ウェブ・ブラウザの項を変更すればOKです。
Atomのインストール
ついでに、Atom エディタも導入しておきましょう。こちらも32bit版は公式にはリリースされていないので、ppa リポジトリからの導入となります。
$ sudo add-apt-repository ppa:webupd8team/atom
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install atom
正常に完了するとMintメニューの『プログラミング』の項へ追加されます。
OneDrive Free Clientのインストール
32bit環境下で ldc を使ってコンパイルする方法を以前に紹介しているのですが、Mintのldcは古いです。OneDrive Free Clientは ldc 1.18.0 以上のバージョンを要求します。このため、一瞬Debian 9 Stretchのリポジトリを追加して新しいバージョンのldcを導入します。
まず /etc/apt/sources.list にDebianのリポジトリを登録します。
$ sudo vi /etc/apt/sources.list
deb http://ftp.jp.debian.org/debian bullseye main
次に、このサーバーの公開鍵を信頼する設定を行います。
$ sudo su -
# gpg --keyserver keys.gnupg.net --recv-keys 04EE7237B7D453EC
# gpg -a --export 04EE7237B7D453EC | apt-key add -
# apt-get update
依存パッケージとldcをインストールします。
$ sudo apt-get install libcurl4-openssl-dev libsqlite3-dev
$ sudo apt-get install ldc
あとはふつうにコンパイルしてインストールするだけです。
$ git clone https://github.com/abraunegg/onedrive.git
$ cd ./onedrive
$ ./configure DC=ldc2
$ make
$ sudo make install
次に、設定ファイルを作っておきます。
$ mkdir ~/.config/onedrive
$ vi ~/.config/onedrive/config
skip_symlinks = "true"
sync_root_files = "true"
特に、rootのファイルは明示的に指定しないと同期してくれないので、設定を入れておきます。
ちなみに、全ファイルを同期するのは重たいなという場合、同期のフォルダ設定を ~/.config/onedrive/sync_list で行えます。
$ vi ~/.config/onedrive/sync_list
_env
html
Sites
業務用
個人用/下書き
こんな感じで同期するフォルダを列挙すればよいです。
ここまでできたら、あとはサインインして同期するだけです。
$ onedrive --synchronize
これで表示されるURLにアクセスし、サインインして転送されたページのURLをコピーしてターミナルに貼り付けます。うまく行っていれば、同期が開始されると思います。ただ、サービスを登録して実行したほうがいいので、いったん control-C で抜けてください。
$ systemctl --user enable onedrive
$ systemctl --user start onedrive
このコマンドを実行することでサービスが登録され、バックグラウンドでの動作を開始することができます。
最後に、/etc/apt/sources.list へ書き込んだDebianの行をコメントアウトするか削除するのを忘れないでください。これを忘れて apt-get upgrade などどしてしまうと、システムが壊れます。
おまけ: USB-C ACアダプタを使う
最近はUSB PDを活用した各社コネクタへの変換プラグが売られています。これを使って、本来のDellコネクタとは若干径の違う本機を動作させる試みです。
まずUSB-CをLenovo角アダプタへ変換するプラグを使って、さらにLenovo角を外径5.5mm/内径2.5mmなアダプタへ変換するプラグで本機のコネクタに挿さるよう変換します(※もしかすると正しい外径は6mmかもしれません)。
これでUSB PDによる20W (4V*5A)供給が受け取れるようになるので、入力19.5Wである本機を動作させることができるようになります。
最近の筆者は、このようにして持ち歩くACアダプタをUSB-Cタイプに1本化しています。