60%キーボードの決定版! Ducky Channel ONE 2 Mini (CherryMX Silent Red/静音赤軸)を買った
フルサイズキーボードの60%縮小サイズという、60%キーボードと呼ばれるカテゴリがあります。いろいろなメーカーがこのサイズを出していてなかなかの激戦区なのですが、今回レビューしていく台湾・Ducky Channel社の『ONE 2 Mini』もそんな製品群のひとつです。
Amazonだとなんと偽物が流通しているらしく、きちんと動作しないものが届いたりするようなので、正規代理店のひとつ株式会社フェルマー『ふもっふのおみせ』さんのリンクを貼っておきます。
別売りで別色のキートップだけを売っていて(実売6,000円くらい)、ブルーを買って差し替えてあります。標準では最初からEnterキーがイエローでちょっと好みに合わなかった。
ちなみに本体色がホワイトのもラインアップにあって、そちらだとピンクのEnterキーが付いています。
利用シーンはこんな感じか、上に挙げたようにMacBookのキーボードの上に載せて使うことが多いです。この写真はOneMix 3Sに接続した状態。本体側が省略キーの多いPCですので、これで結構快適に作業ができます。
14インチのThinkPadに載せるとこんな感じで、純正のキーボード領域をほぼカバーして使うことができます。色味もマッチしています。
選んだ理由
このキーボードを選んだのは、同じ60%キーボードであるFILCO Majestouch MINILAシリーズをメイン機で使っているからこそ、そのサイズ感がいいなと思って選びました。あと、さすがに40%キーボードは攻めすぎたなと思っていて、省略されているキーが多すぎるので操作が煩雑で覚えづらかった。60%キーボードだと、入力できる〝文字〟は省略されていなくて、〝機能〟がFnキー併用になることが多いので、ハイフンを入力するのにFnを押さないとならないということがないです。
DuckyのONEシリーズはいわゆる中華軸ではなく、独・CherryMXのメカニカルスイッチを使っています。筆者はいわゆる静音赤軸のモデルを買いました。静音の赤軸は、ふつうの赤軸と比べて底突きのときに抵抗があって静かです。ピンク軸などとも呼ばれます。リニアな入力特性は一緒で、ちょっと押すだけで反応してくれます。逆を言えばメカニカルっぽさがそんなにないです。赤軸をずっと使っているので、このリニアさは外せなかったです。
中華赤軸の製品なども何回か触ったことはあるのですが、大きめのキーなどで斜めから押したときに引っかかったりすることがあって、ちょっと厳しいなと思いました。台湾製だけあって、そういうことがないのはプラス要素です。
DIPスイッチの設定について
ところで、同じ製品名でロットが違うとプロダクトナンバーが異なるみたいで、筆者のは DKON2061ST というP/Nが書かれています。ここが違うと何が違うかというと、背面のDIPスイッチの設定値が異なります。
スイッチ | OFF | ON |
---|---|---|
DIP1 | Windowsキーが有効 | Windowsキーが無効 |
DIP2 | Nキーロールオーバー | 6キーロールオーバー |
DIP3 | VID: Ducky | VID: null |
DIP4 | デモモード無効 | デモモード有効 |
実際全部OFFの初期値でかまわないのですが、DIP2のNキーロールオーバーはUSB接続している限り使えないので、ONの6キーロールオーバー設定がよいと思います。
RGB LEDの発光について
このキーボード、各キーにRGB LEDを内蔵しているので結構派手に光ります。
発光パターンは下記のようにいろいろ変更できますが、キーを押したときにそのキーがじわっと光るモード(ランダムリアクティブ)がかっこよくてそれを使っています。このモードはFn-Alt-Tキーで切り替わります。モードによってはRGB各色をFn-Alt-ZXCあたりで調整できます。Fn-Alt-JLで発光の速度調整。このへんはフィーリングでやってください。
- ウェーブ
- カラーサイクル
- レインドロップ
- リップル
- ランダムリアクティブ
- リアクティブ
- ブリーズ (RGB調整可)
- 100% 全点灯 (RGB調整可)
- レーダー (RGB調整可)
- 0% 全消灯
光ることから分かるように、このキーボードはゲーミング向けの製品なのでマクロ機能などもありますが、たぶん自分では使うことはないです。
キーカスタマイズ機能について
通常の60%までサイズが削られているということはキーの数も削られています。具体的にはファンクションキーやカーソルなどがないです。これら存在しないキーはFnキーとの同時押しで実現されます。Fn+WASDでマウスカーソルを移動できたりするのが地味に便利ですね。Fnキーが絶妙に押しにくい位置にあるので、カスタマイズ機能を起動しましょう。
キーカスタマイズは、Esc, 左Ctrl, 左Windows, 左Alt, 右Alt, 右Windows, Fn, 右Ctrlの位置を入れ替えられる機能です。また、Capsキーの機能を変更することもできます。このカスタマイズ機能を起動するには、Fn-Alt-Kキーを5秒間長押しします。そうすると入れ替えられるキーが各色に光ります。色と機能の対応は以下のとおり。
色 | 機能 |
---|---|
ピンク | Esc |
赤 | 左Ctrl |
オレンジ | 左Windows |
黄 | 左Alt |
緑 | 右Alt |
水色 | 右Windows |
青 | Fn |
紫 | 右Ctrl |
白 | Caps |
この状態で入れ替えたい2つのキーを同時に押すと、その2つのキーの色が入れ替わります。これで機能も入れ替わったので、同じようにして好みの配置にします。
Capsだけは操作が違って、Capsを1回押すことで Caps → Fn → 左Ctrl とトグルで色が切り替わります。他のキーとの同時押しで入れ替えることはできないようです。
配置が決まったら、Escキーで設定を保存してこのモードを抜けられます。キートップもすげ替えておくことをお忘れなく。
そのままだとMacで使えないのでちょっとしたhackをする
このキーボード、そのままだとなぜかMacから認識されません。たぶん、Vendor ID (VID)周りの何かだと思って調べてみると、workaloundがあるようです。
- FN-Alt-Pを3秒ほど長押しする
05ac024f
と入力する- キーボードを取り外して再接続する
これで動作するはずです。おそらく、DIPスイッチの3番をONにしてからやったほうがいいと思います。
この設定値を元に戻すには、左右のWindowsキーを3秒長押しして、キーボードを取り外して再接続で行けるようです。
ファームウェアのアップデート
Duckyの公式ページにファームウェアのアップデートが掲載されています。Downloadセクションにあります。
アップデート手順は以下のようにします。
- キーボードをいったん取り外して、Dキーを押しながらPCに接続する
- ダウンロードしたアップデータの Start ボタンを押す
- キーボードを取り外して再接続する
macOSとの接続性を改善したというアップデート履歴があるので、これを適用すると1セクション前の手順は要らなくなっているかもしれません。ただ。ファームウェアのアップデートのためにはWindowsマシンが必要です。Macしか持っていないと詰みです。
アップデート後に、LEDの設定とキーカスタマイズの内容が吹っ飛びます。なので、もう一回設定しないとならなくてちょっと不便。デフォルトのキー配置を調べるか覚えておかないとたいへんです。
よかった点
よいなと思ったのは、Fn-WASDのマウスキー機能や、Fn-IJKLがカーソルキーであることなど、ゲームの世界で一般的なキー配置やホームポジションで押しやすいところにFnアクションを割り振っているところですね。このへん結構メーカーによってばらばらで、覚えづらいなーって思うことがよくあります。Fnキーをスペースの右隣にしたかったので、キーカスタマイズ機能があるのも便利でしたね。
それから、とてもよいのは接続端子がUSB-Cであること。キーボードやマウスはまだmicroUSBであることが多いですが、ちゃんと最新のフィーチャーで作られています。
本体色は先にも述べたように白と黒があって、最初は白の赤軸のほうがよかったのですが在庫がとにかくなくて、最終的に静音赤軸の黒を選びました。軸が変わると入力のフィーリングが変わるからなあとは思っていたのですが、違いは本当に底突きのときだけなので、あんまり気にならないです。あと、HHKBの墨みたいな感じの(文字が見えづらい)キートップなので、単純にかっこいいですね。
悪かった点
本体とキートップで計2万円くらいかかる点は悪かったところかなあ。これくらいの価格になると他社の静電容量式も視野に入ってくるので難しいですよね。あと、どうせこの価格帯になるなら、有線接続だけでなくBluetoothの無線接続にも対応していてほしい。
Macへの接続性の悪さもちょっと気になりましたが、ファームウェアのアップデートで改善されたのでまあここはよしとしましょう。
もっともよくないのは、在庫が代理店含めてもかなり少なく、希望の軸色を買えないかもしれないという点かも。モノはすごくよいと思うので、輸入を頑張ってほしい。