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Magic-Ben (神奇小本) MAG1 4G

Date.
2020-01-08
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International Priority便で頼んでいたのに、クリスマス直前に出荷の報が届き、年末年始の配送休業を挟んでしまい、届くまでがとにかく長かった。8.9インチ、つまりiPad miniサイズのいわゆるUMPCです。Core m3-8100Y/8GB/256GB/4Gの構成を選んでいたので、Always Connected PCでもあります。要するに小さいPCが好きなみんなの夢を詰め込んだマシンです。

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GPD Pocketから始まったこの手のUMPC再来ですが、MAG1はその完成形といってもよいと思える仕上がりです。薄いし狭額縁だしキーボード配列もだいぶまともになりました。トラックパッドが付いているのが非常によくて、これで無理なくWindowsを操作できるようになっています。

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8.9インチというとUMPCとしてはでかいじゃんって思うのですが、狭額縁のおかげで重量も690g (公称)しかありません。ちなみに画面自体は2560*1600pxの2K LCDです。

ディスプレイ設定の表示スケールを175%に設定しているのですが、これでもちょっと小さいかも。非常に高精細な画面です。10点タッチでペン入力にも対応と、隙がありません。なお、ペンは別売りです。

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本体カラーはスペースグレイだと思っていたのですが、実物を見ると漆黒です。プレス向けやレビュワー向けには天板へMagic-Benのロゴがプリントされたものが出回っていたのですが、自費購入の製品版なのでそれもありません。本当に四角い弁当箱スタイルなので、どことなくThinkPadっぽさがあります。というか、オールドPCで例えるならIBM Palm-Top PC 110のその色です。

端子周りはわりと豊富で、左側面にmicroHDMI/3.5mm Audio/SIMスロットが、右側面にUSB-A 3.0/USB-C/microSD (TF)スロットがあります。薄型狭額縁設計をするときは、キーボードと大型の端子類が重ならないようにするのに開発者が苦心するのですが、USB端子の上に指紋認証モジュールを持ってきたり、うまいこと避けて実装されていて考えられているなと感じます。

そのWindows Hello対応の指紋認証や、キーボードバックライトがあるのも便利です。細かいところでは、fn-deleteでファンを低速回転にして静音化することができます。

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MacBookのようにベゼルレスで実装されたキーボードは、アルファベットをフルに確保して記号類を上段へ移動する、この手のPCでよくある配列ですが、タイプ音も静かでしっかりとした打ち心地があるので、ちょっと変わった印字フォントが気にならなければよいキーボードです。deleteキーが誤爆しがちなのと右shiftキーを使わないので、それぞれ漢字キー/Applicationキーへ置き換えました。打ち心地がしっかりしているなと思ったらちゃんとパンタグラフ式になっていて、安いメンブレンとは違うんだぞという主張がありました。

充電回りはUSB PDの30W (6Vx5A)に対応していて、急速充電が可能となっています。フル充電での稼働時間は6時間行くか行かないかくらい。まずまずの数値です。なお、PDではない5Vx1Aなどの通常のUSBアダプタでも充電できますし、このポートは充電専用ではなくきちんとしたUSB 3.0ポートなので、外部入出力ポートとしても使えます。

4GモデムはHuawei製で、Wi-Fi/BluetoothがIntel製です。WindowsかLinuxで運用するのが正しいマシンっぽいです。

ただし、このHuaweiのモデム(ME906C)が結構古い時代の代物で、しかも中国版なので日本のネットワークではとにかく不安定です。幸い、日本で販売されたLenovo ThinkPad 10 for SoftBankがなぜか(日本向けのME906Jでなく) ME906Cを搭載していた実績があり、ファームウェアが公開されています。

これをうまいこと使ってファームウェアを更新してやると、日本でも安定して4G通信ができるようになります。一癖ありますが、UMPCが4Gネットワークに繋がるの感動としか言いようがないですね。

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背面の印字を信じるならば、日本の技適も通っています。

このあたりが検索によく引っかかってくるアフィリエイト系のブログだと細かく触れられていないので、実際にこれを本気で使おうと思って買った人は困り果てる部分だと思います。公式にもファームウェアはないので、結局自力でどうにかするしかないという。

なお、初期導入のWindows 10 (Home)はOOBE (初回起動)で言語を選ぶことができ、最初から日本語でセットアップを進めることができます。Windows 10 Version 1903が導入されていました。Insider Preview FAST ring (2004)に上げて運用しています。

2コア4スレッドでTurboBoostがかかると3.4GHzまで上がるCore m3-8100Yは、もはや日常利用ではオーバースペックとばかりに、ずっと1.1GHz駆動になっています。メモリも8GB/16GBモデル両方がデュアルチャンネル実装ですし、SSDもPCI-e接続です。UMPCとしては非常にリッチな環境です。逆を言えばコストを削ろうとする努力はほとんどされていない(SSDが安めですが)。

Intel UHD Graphics 615は、少なくともこの端末では『PUBG LITE』をグラフィック品質周りを全部〝中〟にして解像度1920x1200で60fps目標に設定すれば、ディスプレイの表示上限である56.026Hzに従って常時56~7fps出せるくらいの性能でした。もうちょっと画質を上げてもゲームには支障ない程度の描画クオリティです。FPSゲームをそこそこプレイできるUMPCすごくないですか。

画面についてなのですが、キーボードに輝度調整キーがあり、Fnとの組み合わせをせずに画面の輝度が変更できます。が、とにかくこの画面は明るいことが特徴でして、輝度を最低にしてもまだ明るいです。発色もよく青かぶりもしていなくて素晴らしいIPS液晶だと思うのですが、このへんは好みが分かれそう。

ほぼ唯一の不満点はWebカメラがないことくらい。外でビデオ会議しようとしたときにちょっと困るよね。せっかくの常時持ち歩ける機械なので、そこが次のモデルで改善されればまた買うと思います。最近のスマホやタブレットみたいにパンチホールでもいいからWebカメラは欲しい。

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