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VAIO Pro 11 (VJP11)における、OSX86 Catalina 10.15.4の導入について

Date.
2020-04-21
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VAIO Pro 11のOSが長らくCatalina Betaのまま止まっていたので、10.15.4にアップグレードしようとしたらいろいろ変わっててハマりました。

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これはVAIO社のVAIO Pro 11 (VJP11; Haswell Refresh)におけるOSX86事情となりますが、ソニー社のVAIO Pro 11 (SVP11; Haswell)においてもだいたい一緒のはずです。

まず、Catalina Public Beta 10 (GM)から、Catalina 10.15 (リリース版)へのアップデートは手動で行わないといけませんでした。ソフトウェアアップデートでは何も起こらず、コマンドラインやApp Storeからダウンロードしようとすると失敗するので、『macOS Catalina Patcher』からダウンロードしました。

これをUSBメモリに書き込んで、USBブートでCatalinaをインストールすることで環境そのまま移行されるにはされます(このときは10.15.3がインストールされた)。ただし、Clover UEFIを少なくともr501xにしておかないと、10.15.4の起動に失敗するようになるので、事前に準備しておくことが重要っぽいです。

また、Cloverはv2.4からv2.5へのメジャーアップデートにおいてレガシーサポートを廃止した影響で、EFIディレクトリの構造が変わっています。これをちゃんと移行しておかないと起動不能になるので、復旧が難しくなります。

起動フェーズ最終からログイン画面でのglitchが解消できた

さて、High Sierraくらいから今に至るまで、BIOS設定にCSMの項目がない我々を悩ませ続けてきた、起動時の画面グリッチを解消する方法が見つかりました。

これまでは、乱れたログイン画面で電源ボタンを3秒押して画面をスリープさせ、すぐにもう一度電源ボタンを押すことで、正常な画面が表示される状態となっていました。これでは一手間かかります。

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いわゆるDVMT-preallocated 32MBなBIOS (※正確にはUEFI)におけるminStolenSize patchですが、モダンな例にならってWhateverGreen.kextを使って framebuffer-patch-enable == 1 と framebuffer-stolenmem == 00009000, framebuffer-fbmem == 00009000 の3つの値をCloverのconfig.plistに設定した上で(※一般的には、この設定を行えば起動時のグリッチは解消する)、VAIO Pro 11においてはもうひとつ設定を行うことで恒久的に解消することが可能でした。

それはどこの設定かというと、システム環境設定のディスプレイから〝リフレッシュレート〟を 40Hz に変更することです。一見関係なさそうなのに、ここを60Hzにするとグリッチします。悪さをする部分をとうとう見つけましたね。

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Appleロゴが最終フェーズで乱れる現象は解決できていないので、おそらくログイン画面を表示する一歩手前でリフレッシュレートを切り替える動作が入っていて、それで画面が更新されるためにログイン画面のグリッチが解消するということのようです。

現在のVAIO Pro 11の状態まとめ

現在の状態は、下記のエントリで述べたBroadcom BCM94352Zへ換装した状態をCatalinaへアップグレードしたものとなっています。

EFI/DSDT/SSDTには基本的に手を入れていません。Cloverのディレクトリ構造とconfig.plistを変更したのみです。

ディスク上からは、Windowsが消え去りました。何をしてもWi-Fiに繋げることができなかったので、ほとんど起動することもないし、もう不要かなと。

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今の状態で通常のMac (Real-Mac)と異なるのは、Lid to Sleepができないことくらい。画面を閉じてもスリープしてくれないので、スリープメニューを選ぶ必要があります。これもたぶんkextを探せばあるんだと思う。電源ボタンを押してスリープを押すだけなので、あまり手間と感じていない。

ちなみに、ぼくの実機はUSキーボードになっていますが、これはVAIO社の構成にはないものです。ソニー時代のVAIO Pro 11 (SVP11)用のUSキーボードを海外通販を探して買い、取り付けたら動いた、という美しいお話でした。なお、ASSISTボタンは機能しません。

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Real-Macとあまり変わらないのであればReal-Macでいいじゃんという向きには、たとえばVAIO Pro 11であれば絶対的軽量さがあるし、Real-Macは何台も持っているので、同等になるよう環境を作り込む楽しさなどもあります。

ブートローダにはCloverを使っていますが、最近『Open Core』という新しいブートローダが出てきています。VAIO Pro 11はちょっといじるパッチの範囲が大きいのでまだ移行できそうにないですが、自作機などで適切でシンプルな構成になっているものは、わりと行けそうな感触があります。

ChameleonからCloverのときのように完全に移行しないとならないという状況ではありませんが、OSX86を嗜む身であれば知識として知っておく必要はありそうです。

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