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Nothing - Nothing ear (1)

Date.
2021-09-12
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英国発のベンチャーNothing社による初の製品『Nothing ear (1)』というトゥルーワイヤレスイヤホンを買いました。〝かっこワン〟までが製品名です。現在のところ大人気商品で、店頭などではずっと品切れしていてほぼ買えません(9月13日現在、メーカー直販にて再販売が行われていましたが品切れしており再入荷の予定が記載されています)。

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100ドル程度(※日本では12,650円が定価)の製品ですが、デザインの良さやワンクラス上の(300ドルラインに匹敵するほどの)音がすること、アクティブノイズキャンセリング性能の高さが好評の理由となっています。11.6mmの大口径ドライバの採用が音の良さに繋がっていると思いますが、それよりもこれでもかと盛り込まれたトランスルーセントデザインが目を惹きます。この製品のアイコンとなる透明さとドットデザインは、付属USBケーブルにまで波及していて、徹底した統一感を感じます。パッケージには右耳側の赤いドットをあしらっており、この赤いドットは充電ケースの左右を見分けるためのアイコンとしても使われています。

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そして、そのアイコンはマグネットになっていてイヤホン本体を吸着させるのにも使われており、非常に合理的な設計をされているなあと感じます。

操作は非常に簡単で、左右どちらかのステムをダブルタップで再生/一時停止、左ステムのトリプルタップで前の曲、右ステムだと次の曲、そしてシングルタップで押し続けることでノイズキャンセリングと外音取り込み、何もしないモードと切り替えることができます。また、ステムを上にスワイプすると音量を上げ、下にスワイプすると下げることができます。音量の調整は最近のトゥルーワイヤレスでは忘れられがちで、本体側での操作が必要なことが多いのですが、これに対応しているのはとても良いと思いました。

ノイズキャンセリングはアクティブ式なのでマイクで拾った音を逆位相変換して流す方式ですが、効き自体はそれなりに強めに設定されており、ホワイトノイズ音も常に流れているので、非常に至近距離での会話などでなければ周囲の音が気になることがあまりありません。ホワイトノイズのサーッという音が気になる人はいるかもしれません(音楽を流している間は気にならないはずです)。

なお、音声アシスタントへの非対応や操作性のカスタマイズにほとんど対応しないことは、開発側のポリシーの明確さを感じさせます。対応コーデックもAAC/SBCだけなので、最近のスタンダードになりつつあるaptX系の何やらなどには対応していません。

逆に、そういったコーデック周りの頑固さがありながらも、音質の明瞭さが際立つことは、音場設計の優秀さを立証するものでもあると思います。音場設計はTeenage Engineeringが担当しています。カプコン作品などのサウンドを担当していたりするので、日本でも知っている方は知っているでしょう。

ステムのあるデザインをしていることから、AirPods Proを仮想敵に持ってきているレビューが多いですが、ステムは短く薄めでAirPods Proほど邪魔にならず、先述のように機能性もかなり異なります。価格的にはAirPods ProよりもBeats Studio Budsがライバルに入ってきそうです。

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Android端末とのクイックペアリングを実現しており、Beats Studio Budsでもそうだったように、ケースを開けてボタンを長押しすると付近のAndroid端末にペアリング確認画面がイヤホンの画像付きで表示されます。ここでペアリングすると、同じGoogle アカウントのAndroid端末とペアリング情報を共有することができます(iOS/macOSにおけるAirPodsなどと一緒)。

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デフォルトでもかなりしっかりと鳴るイヤホンだと思いますが、ここにひとつ加えるとさらに良い音で鳴らすことができます。アユートの販売する『AZLA SednaEarfit XELASTEC』というイヤーピースがとてもよく、ほどよく低音を強調しながらも他のイヤーピースでは隙間から抜けてしまいがちな高音域を鳴らし切れるようになります。これはこのXELASTECという素材(TPE)が体温で軟化して耳管の微細な凸凹にフィットするためです。また、見た目にも半透明のスモークがear (1)の本体と調和していて、装着時は見えないところではありますが見た目にはかっこよくなると思います。

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イヤホンを収納するケースはデザイン性が高く、機能的に特筆すべき点がないのではと思いがちですが、USB-C PD対応やQi ワイヤレス充電に対応していることは覚えておいて損はないと思います。これくらいの価格帯ではワイヤレス充電に関しては忘れられがちなので、他社製品に対するアドバンテージとなりますね。

全体的に死角がなく、価格と機能のバランスは非常によく取れており、コストパフォーマンスが非常に高い製品と思います。これが一般的な量販店の店頭に並ぶようになると、同価格帯でしのぎを削るかなりのメーカーが苦戦を強いられるのではないでしょうか。

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